猫飼育の日常の注意点と病気について教えてください。 ●猫には恐ろしい感染性のウイルス病がいろいろあります。猫免疫不全ウイルス(猫エイズ)、猫白血病ウイルス、猫伝染性腹膜炎は発症すると死に至ることが多く大変怖い病気です。これらの病気は動物病院で感染しているかどうかの検査ができるようになっています。また、このうち、猫白血病ウイルス感染症については、ワクチンで予防可能になりました。そのほかに予防可能なものとしては従来から3種混合ワクチンがあります。これは、猫伝染性鼻気管炎(FVR)、猫カリシウイルス感染症(FCV)、猫伝染性腸炎(パルボウイルス感染症)の3つの病気のワクチンです。いったんかかると非常に直りにくかったり、死んでしまうことの多い病気ですので、飼い始めたら是非ワクチンを接種してあげてください。
●猫で多く診られる病気に膿瘍(アブセス)があります。多くは喧嘩キズが原因で化膿して膿がたまります。猫の喧嘩キズはキズが小さくて深いので膿瘍になりやすいようです。飼い主さんが気づくのが遅れるのもひどくしてしまう原因です。外から帰ってきてけがをしていたら、たとえキズが小さくても動物病院に相談してください。また、上記のウイルス病が蔓延していることを考えると、なるべく屋内で飼育することをおすすめします。避妊、去勢をすると屋内でも飼育しやすくなります。
●皮膚病もまた、多く見られます。そのほとんどがノミが関与しているといっても過言ではありません。最近は屋内飼育でもノミが感染していることが多く見られます。また、ノミがいることに飼い主さんが気がつかない程度でも、アレルギーがおこれば皮膚病の原因となります。最近はノミ取り首輪の成分に耐性を示すノミが増えてきていると言う報告もありますが、プログラムという飲むノミの薬やフロントラインという従来と違った考え方の良いノミ予防薬がありますので先生に相談してみてください。
●そのほかに多く見られるものに、FUS(猫泌尿器症候群)と肥満があります。FUSは腎臓や膀胱に砂や石ができる病気です。食事が関係していることがわかり、ペットフードメーカーがこのことに配慮するようになってからは多少減少傾向にありますが、しっかり予防できるフードを作るにはコストがかかるので、FUSに配慮してあると明記してあるキャットフードでも、市販のものでは発症してしまう子がいます。一度でもこの病気と診断されたら、動物病院で処方される療養食を続けられることをお薦めします。肥満も室内飼育の増加に伴い増えてきました。肥満は、糖尿病や肝臓病、心臓病など万病の原因になります。ただ、これらは飼い主さんが食事に配慮してあげれば十分にコントロールできるものです。
●わたしが上記で挙げた点を配慮していただければ、あなたの猫が病気になる確率はかなり下げられると思います。手間のかかることもあるかも知りませんが、あなたの猫ちゃんの健康はあなたの管理にかかっています。最後に、いつも注意深く観察してあげてください。そして、いつもと違う点に気がづいたら、まずかかりつけの先生に相談しましょう。
●予防できるものは予防してあげる。そして異常に早く気がついてあげる。これが一番大切なことだと思います。